肺がん

肺がんは、「小細胞肺がん」と、それ以外の「非小細胞肺がん」に分けられます。この両者は同じ「肺がん」といっても、かなり異なった性質があり、治療のやり方も異なります。

小細胞肺がんは悪化するのが早く、ほとんどの場合は手術不能の進行癌の状態で発見されます。化学療法(抗がん剤治療)を中心に、放射線治療を組み合わせることで治療がなされますが、治癒に至る方は稀です。ただ、近年は「免疫療法」を追加した新たな治療方法も開発され、期待されています。

「小細胞肺がん」以外の肺がんをまとめて「非小細胞肺癌」といいます。これは、さらに腺癌、扁平上皮癌、大細胞癌に分類されます。

非小細胞肺がんの治療は、肺がんの進行具合(病期分類、ステージ)によって異なります。

I期、II期の非小細胞肺がんは、手術で切除することがもっとも望ましいと考えられます。

III期の非小細胞肺がんは、放射線治療を中心に、化学療法(抗がん剤治療)を併用するのが最良の治療方法です。この後、病状が安定している人では、免疫療法を追加して再発を予防します。

以上、I期からIII期までの肺がんは、「がんを治す」ことを目標にして治療を行ってゆきます。

IV期の肺がんは、残念ながら「治癒」させることは不可能です。IV期の進行肺がんに対しては、症状の緩和や延命を目的とした化学療法や分子標的治療、免疫療法が実施されます。もちろん、がんの症状を和らげるための「緩和治療」も重要になってきます。

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