アスベスト検診や労災認定

アスベストを吸入した方の検診や労災認定

アスベストを吸入した方は,長い期間を経て,様々な病気を呈してくることがありますので,定期的に診察を受けることをお勧めします.
現役で働いていらっしゃる方(石綿を直接扱う方やその周辺業務を行う方)は事業所が行う検診で胸部X線写真をとります.
アスベストを扱う仕事をしていて退職または転職された方は,下記の用件を満たした場合「石綿健康管理手帳」の交付を受け,年2回の検診を受けることができます.

健康管理手帳の申請

アスベストを扱う業務に従事していた方(退職時および既退職者)で,石綿肺や胸膜肥厚が認められた方,もしくは一定以上のアスベスト吸入があると認められた場合は,「石綿に関する健康管理手帳」を申請できます.この交付を受けると,年に2回の健康診断を無料で受けることができます.
申請は,所轄の労働局,労働基準監督署で行います.なお,石綿肺の方は,「粉じん作業に関する健康管理手帳」も交付されます.

じん肺の申請

石綿肺の方は,じん肺にも相当しますので,じん肺認定の申請が可能です.申請は,所轄の労働局,労働基準監督署で行います.

労働災害認定の申請

石綿肺,肺がん,中皮腫,良性石綿胸水,びまん性胸膜肥厚のいずれかで,一定の用件*を満たした方は,労災認定を申請することが可能です.認定されると,疾病の治療に必要な補償,賃金を受けられない場合の補償,死亡した場合には遺族に対する補償が受けられます.

1.石綿肺: 著しい肺機能障害や続発症(肺結核,結核性胸膜炎,続発性気管支炎,続発性気管支拡張症,続発性気胸,続発性肺がん)を合併したものなど.
2.肺がん: 1)明らかな石綿肺所見が認められる場合.2)胸膜プラークまたは石綿小体等の存在が認められ,かつ石綿にさらされる作業に10年以上従事していた場合.
3.中皮腫: 1)明らかな石綿肺の所見が認められる場合.2)石綿にさらされる作業に1年以上従事した場合
4.良性石綿胸水: 他の原因を除外できる場合
5.びまん性胸膜肥厚: 一定以上の広がりがあり,著しい肺機能障害を来している方で,石綿にさらされる作業に3年以上従事した場合

石綿健康被害救済制度

中皮腫,石綿による肺がん,著しい肺機能障害を伴う石綿肺,著しい肺機能障害を伴うびまん性胸膜肥厚により,現在療養中の方やそのご遺族の方は,労災保険等の対象とならない場合でも,認定されると救済給付が得られます.

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