整形外科関連救急処置

脱臼・骨折・打撲(だっきゅう・こっせつ・だぼく)

関節を構成する骨同士がはずれた状態を脱臼といいます。肩関節がもっとも多いのですが、脱臼はできるだけすみやかに元に戻す必要があります。時間が経つと戻りにくいことと、軟骨の栄養がいかなくなり後遺症を残すことになるからです。無理に戻そうとしたりせず、できるだけ楽な格好で医療機関に運んでください。

骨折は場所や程度により症状は様々です。強い痛み、腫れは骨折を考えます。肘や膝の近くは神経・血管を圧迫しやすい場所です。骨折自体は治療は急がなくとも血管の損傷が考えられるときは一刻を争います。打撲も含めて楽な状態に副木をあて、冷やしつつ、患部を高くしてください。

麻痺(まひ)患者の移送

怪我の後、手・足が動かず、首、背中、腰を痛がる患者さんは背骨の骨折を疑います。背骨が折れて神経を圧迫している可能性があります。移送に関しては神経の損傷を悪化させぬよう細心の注意を払います。

止血法

出血があると強く出血点の心臓側を縛る人がいますが、かえって出血が止まりにくくなったり、神経の損傷をつくったり、ひどい場合には血液がいかないためそこから先がだめになってしまうことがあります。心臓の拍動に合わせて吹き出すような多量の出血以外は、血の出ているところに布をあて、手のひらで緩く圧迫することで止血が可能です。

指の切断後の処置

手や指、足が切断された場合、再接着手術が可能な場合があります。切断された手指はポリエチレンの袋に入れ、口を締めて、氷水の中に入れ冷やして患者さんと一緒に運んでください。消毒の必要はありませんし、直接氷の中に入れてふやけさせたり、ドライアイスに付けたりしないでください。切れた場所は布で覆い、圧迫止血してください。

身体に異物が刺さったままの場合の処置

すぐに異物を抜いたりしないでください。異物が血管に当たって、血管のふたの役目を果たしている場合、不用意に抜いたりすると大量出血の可能性があります。また無理に抜くと神経や血管、筋肉、腱の損傷を大きくしたりする場合があります。十分な用意の元の処置が必須です。

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